- Shyuichi Nakamura

- Sep 4, 2023
蝶形骨にかかる何らかの異常はどんな症状になる可能性があるのか?
例えばストレスを抱えていると、視床下部の自律神経機能に影響が起こる可能性があります。
他にも感覚に影響がでたり、ホルモンや運動にも影響が出る可能性があるということになります。
これらの症状は、蝶形骨と隣接する脳の作用によっておこる症状です。
蝶形骨だけでなく頭蓋骨って大事な骨であり器官なんだなと思わずにはいられません。
歪むという言葉は、骨の変形や関節の脱臼、位置異常などがイメージとして浮かびますが、実際は、そういう変化は余程の外力が加わらないと起こらないと思います。
しかし、その骨周囲に何らかの異常(水や血の流れの停滞や不足、神経の伝達異常等)が起これば、触診でもわかるぐらいの状態になってくるのだと思います。
頭を軽く触れるだけで異常がわかるのであれば立派な目標になります。
異常がなくなれば、当然、機能にも影響を与える可能性は高いと思います。
鍼治療をすると目がよく見えるようになったとか、視界がひらけた。呼吸が楽になった。精神的に安定したなどの変化が起こったりしますが、そういう変化が起こった場合、必ず頭蓋骨の腫れや凹みが左右均一になっているように感じられます。
もちろん、頭に鍼を打たなくてもそうなります。
これらは、骨の歪みが治った訳ではなく、骨の周囲の流れが良くなって機能があがったと言えるのではないかと思います。
しかし、なぜそうなるのかの科学的な説明はわかりません。
患者さんにとっては、そんなことどうでも良いことです。
- Shyuichi Nakamura

- Sep 3, 2023
蝶形骨は、篩骨同様、左右につながっている一つの骨です。
左右にまたがっている骨は、とても貴重な骨なのではないかと思います。
右と左をつなぐ骨と言えます。
しかも、この骨は脳、特に前頭部あたりを支えている骨です。
この骨に何らかの力が加わると前頭部に接続する脳の機能に異常があらわれるのではないかと予測できます。
もちろん、蝶形骨だけが重要なのではありません。
頭蓋の圧力を保っているすべての骨は重要ですが、蝶形骨に隣接している脳の機能には影響を与えるのでないかという予測です。
蝶形骨に隣接する脳は、下垂体、視床、視床下部、第三脳室、基底核、側頭葉あたりです。
視床は感覚情報の中枢なので、あらゆる感覚と関係すると思います。
感じることは、自我を自覚することとも言えます。
もし感覚がなかったとしたら自分自身を明確に自覚できるかどうかわかりません。
視床下部は、自律神経や内分泌の制御もしています。
自律的に働く機能の中枢ですから、心臓や肺、食欲や睡眠といったものにも影響します。
それらを支えている骨ですから、蝶形骨への何らかの力は、それらの影響するに違いないとも考えられます。
第三脳室は、脳脊髄液が流れる空間であり、基底核は運動制御、側頭葉は、聴覚や言語、記憶に関与するところです。
基底核も含まれるので、運動には大きく関係するはずです。
つまり蝶形骨の大翼の皮膚の腫れ感や凹み、皮膚張力の片寄りは、単純な皮膚変化ではなく、これらの機能に異常があらわれている一つのサインだと考えられます。
逆に言えば、蝶形骨の大翼(こめかみ)の部分の左右差や腫れ感、皮膚張力の差がそろってくれば、自律神経や運動、思考の調子も変わってくる可能性があるということです。
鍼灸治療が得意とするような症例は、この部分の異常をよく観察することで一つの目標にもなるのではないかということです。
- Shyuichi Nakamura

- Sep 2, 2023
専門的な話ですので、一部の人にしか役立ちません。
★★★★★★★★★★★★★★★★★
頭蓋骨も仙腸関節と同様、歪むと主張する人と、歪む訳がないと主張する人がいます。
物理的には、かなり強い結合なので、外傷でもない限り簡単に歪んだり元に戻ったりすることはないように思います。
私は、これらの主張はどちらでも良いという立場です。
つまり歪みがあるとかないとかは、どうでも良いのです。
しかし、頭蓋骨を触診してみると右と左で違いがあります。
まったく左右対称という人は今まで見たことがありません。
その身体の変化を歪みと言うか腫れと言うか?
または、違和感というかで違いがあるだけだと思っています。
要するに、単なる呼び方だけの問題であって、それがどちらにしても臨床的には無関係です。
この変化には法則があるみたいです。
具体的には、触診上、腫れているところや凹んでいると思えるところがあるということです。
こめかみの部分は、蝶形骨の大翼の部分です。
指先で軽く圧力をかけながら、左の蝶形骨の大翼部分を前に引張っぱった場合
対側の右蝶形骨の大翼部分を前に引っ張った場合では、その抵抗感が違います。
よく観察してみると、左前が動きやすく、右前が動きにくいという場合があります。
このような場合右は後ろに動きやすいというような片寄りが起こることがあります。
この状態を見ると、蝶形骨が右に回転しているように思えます。
あくまでも皮膚圧力とその方向性の差です。
この状態は蝶形骨の大翼の皮膚張力の変化です。
このような変化があると、一見、右へ回転し、歪んでいるように思えます。
しかし、この歪みや左右差があるから骨まで傾いているとか歪んでいると考えるのは疑問もあります。
それでも、触診をした術者側からすると、蝶形骨が歪んでいると思える程、触診ではあきらかにわかります。
もちろん、右も左も前方向がいきやすいという場合もあります。
全体的に前方向にズレがあるように思えるのです。
ただ、その場合もまっすぐ前にズレる感じではなく、必ず右と左で差があります。
つまりどちらかには回転しているように感じられるのです。
そのことを発見した人が、これは蝶形骨の歪みだ!!
と考えてもおかしくないのではないかと思っています。
骨の曲がりや脱臼、アライメント異常というのは、関節には確かに起こります。
針灸師のような触診を主体にしている術者は、その法則性を感じとって、これは骨の歪みだと主張する人が一定数います。
しかし、それが本当に骨の歪みだとしたら、手技をやったぐらいで物理的に簡単に元に戻せると思えません。















