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鍼灸は鍼灸だけではない

鍼灸の話ではありませんが、身体の基本となる骨の話です。


どの医療でも身体の基本となるのは骨です。骨があって内臓もあり、筋肉も各組織があります。

つまり骨の状態をよく観察することは分類に役立ちます。

それができてこそ脉診や筋反射が成立します。いきなり脉診や筋反射で判断することはできません。


頭蓋骨は、アプライドキネシオロジーなどでもよく言われていることですが、花粉症と言われるような症状であっても頭蓋骨の変化はでてきます。ただ、頭蓋骨が歪むというような表現は、あまり好きではありません。

それでも触診をすると歪んでいるように感じられるのは事実です。骨は、単純に骨だけで存在している訳ではありません。膜も筋肉も脂肪も腱などがあるので、歪みのように思える感覚も、それらの異常が関係していると考えた方が腑に落ちます。

そして頭蓋骨で一番注目するのが「水」の流れです。「水」の流れと言っても、それを計る道具はありませんから、感覚的な範囲でしか判断ができません。

つまり、触診で感じるしか、リアルタイムで状態を観察できないということになります。もし、「水」の流れが悪くなり、腫れを起こしたり炎症を起こしたりすると、その周囲の組織は機能が落ちるはずです。

顎の動きや目の動き、首の動きに影響がでてきます。


そこへ何らかの手技や刺激を与えることによって、その流れが良くなると、一瞬で変化が起こり、歪み(感覚的な変化)がなくなることがあります。「水」の流れですからうまく流れれば一瞬で流れることは予測がつきます。血の流れが1分で全身を巡るとされている訳ですから、「水」の流れはもっと速いと想像できます。一瞬で症状が改善することもあります。


ただ、一般的にアプライドキネシオロジーなどでは、頭蓋骨に手技を直接与えたりしますが、これは、緊張している筋肉を揉むのとあまり変わりがありません。つまり、効果は薄いと考えられます。

解剖学的な変化を論理的に説明できたとしても、それを直接手技で刺激を加えても大きな変化があるとは思えません。


それではどうするのかが問題になってきます。頭蓋骨は、手足、体幹の力を集約するような形状をしていますし、実際にその働きがあると考えられます。だから首から上の頭蓋は、手足の状態をあらわす指標となります。

例えば、左の頬骨から側頭骨、前頭骨の緊張があると左手や左肩甲骨、左仙骨、左足首などは顕著な異常をあらわします。つまり、これらは連動している変化だとわかります。

単独で頭蓋骨だけが緊張するということは考えにくいということです。ということは、手足の力がうまく配分されなかったことが大きな原因で、最終的に頭蓋骨の異常となったということです。だから頭蓋骨に刺激を与えるのは本末転倒です。何が親で何が子供なのかがわかっていないと頭蓋骨の刺激は意味を持ちません。


これが事実なら、手足体幹と頭蓋骨を一つのグループとして、一箇所で刺激ができるはずです。鍼灸で言う本治法ができるようになります。それを行うことで頭蓋骨が動き変化を実感することができます。しかも一瞬で変化を感じとることができるようになります。


頭蓋骨の異常があって頭蓋骨を刺激するという場合もない訳ではありませんが、頭蓋骨を刺激して、頭蓋骨を治すのではなく、頭蓋骨を刺激して体幹や手足に影響させるという場合にのみ頭蓋骨に刺激をするということができます。

それは脳神経へのアプローチでも同様です。例えば、延髄、橋の異常があることがわかったとします。それで環椎や後頭骨をアプローチしても、絶対に延髄橋は動きません。

動いたとしても、限定的です。しかし、一般的な手技療法は、そういう刺激の仕方をしています。

もっと全体を観察する能力が必要です。頭蓋骨の変化は一部の現象です。つまり、肩が凝ったとか腰が痛いというのと何ら変わりません。ただ、それを患者自身は自覚していないだけです。


頭蓋骨の変化をどういう方法で分類するのか?

その分類したものと全身をどうつなげていくのか?


そういうことが問題なのです。


分類は様々なものを対象にしています。身体の状態を良い方向にする為なら常識を超える必要があります。


骨のアプローチは頭蓋骨だけにとどまりません。足首や手首、仙骨なども対象になります。それらを総合的に判断できる能力は鍼灸師として自信をつける最大の武器になります。



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