- Shyuichi Nakamura

- Aug 20, 2023
肩甲骨の動きは、直接、上腕骨の動きに連結していきます。
つまり肩関節の動きと連動しています。
肩甲骨が外転上制すると、巻き肩の状態になりやすく肩関節は内旋します。
内旋すると、上腕二頭筋の位置が変位し、上腕二頭筋が引っ張られることで緊張します。
(この場合収縮とは違います)
そして、肘関節を屈曲位にしてしまうので、腕関節には内旋優位の力が働きます。
(収縮して肘関節が屈曲するのではありません)
この意味がわからないという人は、肩甲骨の位置によって変化する上腕二頭筋の緊張状態を観察してみると良いと思います。
その力は橈尺関節にも影響し、それが手根骨の屈曲を優位にさせることで、CM関節も屈曲位になります。
肩甲骨が外転上制位優位になっていると、CM関節が外転伸展できにくくなってくるのです。
このような状態になってしまうとCM関節は無理やり伸展外転させないとできなくなります。
これが肩に力が入るという状態の正体とも言えます。
手の力を抜こうと思っても抜けないのは、手の力を抜いて動かせないからです。
体幹に近い関節の位置でそうなっていると、どんなに力を抜こうと思っても抜けなくなるということです。
- Shyuichi Nakamura

- Aug 19, 2023
肩甲骨は、肋骨との間に肩甲胸郭関節という関節を作っています。
一般的な関節の構造とは違いますが、肋骨の上を滑るように動いています。
肩甲骨を内転下制させると呼吸が深くなり、横隔膜の動きにも影響を与えます。
逆に肩甲骨を外転上制させると呼吸が浅くなります。
吐ききった時には外転上制し、吸いきった時には内転下制させると呼吸が大きくなります。
つまり、肩甲骨の動きが均一なら、その人の呼吸は正常と言えます。
呼気と吸気のバランスがとれているということです。
肺活量ではありませんので、個人的なレベルの呼気と吸気のバランスです。
これらのバランスが良ければ肺活量が小さくても呼吸は正常に保つことができます。
逆に肺活量が大きくても、このバランスが悪いと、その人にとっての完全な呼吸ができにくくなります。
よく静的な運動(ストレッチ等)をする時に呼吸をさせたりしますが、何の為に呼吸をさせるのか?
それを考えることがない指導者が殆どだと思います。
その指導者も、どこかで指導されたからやっているということですが、それに疑問を持たないのです。
それでは意味がありません。
呼吸は単純に行っただけではバランスよく呼吸することはできません。
しっかり吐いて、しっかり吸う。
しっかりとは大きくという意味ではありません。
そして、右も左も同じ状態で吸ったり吐いたりすることが重要です。
呼吸が乱れると、これができなくなってきます。
咳という症状は、必ず左右の片寄りを作ります。
つまり咳をしている時は、肩甲骨の動きも片寄った動きをするということです。
だから呼吸と関係する胸部や頸部、上腕、背部等の呼吸に関係する部位が緊張してきます。
左が内転下制できなくく、右は外転上制しにくくなると、上部胸椎は右に回旋してしまいます。
上部胸椎が右回旋してしまうと上部胸椎はやや前に屈曲したようになります。
そして見た目傾く形になり猫背の状態になります。
しかし、猫背はまっすぐ曲がっている訳ではありません。必ず回転が運動の中に入ります。
呼吸をする為には、呼吸筋と呼ばれる筋肉が収縮したり弛緩したりしなければなりません。
肺が働くから呼吸は成立するのですが、肺は自力で動くことができません。
呼吸筋がなければ肺は機能できまないのです。
だから肩甲骨や肩の動きをよくすることは呼吸に影響を与え、肺の状態を変える訳です。
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- Shyuichi Nakamura

- Aug 18, 2023
昨日の話の中でも咳が胸や上肢の筋肉の動きとも関係すると書きましたが、頭部を動かす筋肉は呼吸にも大きく影響します。
例えば胸鎖乳突筋、前、中、後斜角筋も呼吸時の筋肉と関係します。
首ではないですが鎖骨の下にある鎖骨下筋も呼吸関係します。
また、斜角筋は肋骨にもくっついていますので無関係ではありません。
実は、これらの筋肉のある場所は、肩や首の痛みを軽減させる可能性のある部位でもあります。
咳をしている時に押さえてみれば圧痛があるのがわかります。
そして、鎖骨は、胸骨と肩甲骨とつながっています。
首肩の緊張がある人の場合、鎖骨の内側部と先端部には、圧痛が起こりやすくなります。
そして肩甲骨の動きが悪くなり、肩甲胸郭関節にも制限がでてきます。
肩甲骨の可動域ではなく、可動状態が均一化していないという現象が起こります。
均一化していると小さく綺麗に動きます。
綺麗にというのは、前も後ろも上も下の均一にゆっくり動かすことができるという状態です。
首肩の状態を正常に保つ為に、大きく動く必要はありません。
つまり肩甲骨の可動域が上がるだけでは首肩の状態を正常にさせることはできないということです。
小さい動きでも均一化していれば正常に機能します。
首を支えている肋骨や鎖骨(鎖骨は胸鎖乳突筋もくっついている)それと連動している肩甲骨の動きは少なからず関係があります。当然、肩甲骨の動きも鎖骨を通って首にも影響を与えます。
肩首の凝りがある場合、これらの関節や筋肉の場所にも異常がでます。
圧痛がでたり、動きが悪くなったりするのは当然の結果です。
ということは、これらの圧痛が消失すれば、首肩の緊張が楽になる可能性があるということです。
そして何よりも呼吸がしやすくなります。
しかし、圧痛を除去する為にグイグイと押さえたりしても意味はありませんし、これらが連動しているということを計算に入れて刺激する必要があります。
タイピングを長時間やっていると肩首が凝ってくるのはなぜか?
という問いの答えにもつながってきます。



















