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筋トレなどでは、何回を何セットやりなさいという指導をされると思います。

確かに回数を行えば筋肉は大きくなると思います。


しかし、意識のトレーニングは認識が大切なので、回数を問題にしません。

それより、どれだけ感じることに集中できるかが重要です。

私がいつも言っているように、頑張らない、努力しない、期待しない。


これらは、意識を高めるためにはとても必要なことです。

日常生活をしていて、長い時間とることは困難です。

これを2時間行いなさいと言っても殆どの人は無理です。

無理なことは努力につながりますので、やめてくださいと言っているだけです。


私が姿勢の本質がわかった時は学生であって2時間どうしても電車に乗っていなくてはならなかったので、長時間集中することができました。これは私が学生だったからこそできたことです。

社会に出ればできないことはわかっていたので、この時間を大切にしなくてはという思いがありました。

だから1年間は(気づいたのが3年生だったので)絶え間なく行うことができました。

そして深い瞑想状態に入っていけれたのだと思います。


また長時間やろうと思うと、逆に余計なことを考えてしまい集中できない時間が起こってきます。

この時間がだいたい15分です。


意識というのは断続的です。


集中しているように見えても常に思考は違うことを考えようとしてしまいます。

それが思考の本質なので、それもわかっているから長時間行わないでくださいと言っています。

決して短時間だけが良いと言う訳ではありません。

長い時間も短い時間の繰り返しです。


短時間を何回か行うのなら意識を集中させることが容易だからそうしてくださいと言っているに過ぎません。

そして、それを何回も繰り返せば、自分に向き合う時間も自然に長くなってきます。

このように訓練していると、長時間やろうと思ってもできるようになってきます。


意識の集中には、15分の壁があり、15分はなかなか集中することができませんが、15分を過ぎると一気に集中力が高まるようになります。当時は毎日行っていたので、少しずつ時間は短くなり、10分ぐらいで集中できるようになってきましたが、そこまでくるにはかなりの訓練が必要です。

今はやろうと思えば集中することができるようになりましたが、その方法にも秘密があります。


本来は、そこまで行わないと本当の意味はわかりませんが、そんなことを一般の人に求めなくても効果をあげることができることを知っているから短い時間しかやらないでくださいと言っています。

また、長くやれば効果が早く来ると誤解してしまう人を避けるためでもあります。

そんな期待は裏を返せば不安につながります。

そういう人間の心理にも配慮しています。


思考の本質もわかっていないで言葉尻だけを捉えるのは人真似だからです。

簡単なことでも説明するのは難しいし、ホントの意味で体感していないと、その意味も理解することができません。


0,5秒前へのアクセスは、そう簡単なことではありませんが、動かさない運動法を行っていると自然に理解できるようになってきます。これは筋肉を使わない筋トレであり、魂との会話です。

運動器疾患やリハビリ、スポーツにも応用できる画期的な方法なのだと思います。

もちろん、「気」そのものを理解する方法でもあります。



私は、あまり人に教えてもらうということが好きではないのですが、たった一人だけ本当に感動した人がいました。

私が23歳の時に出会った故小田一先生です。

兵庫県の加古川で整形外科を開院していた医師です。


本当の意味で師匠と呼べるのは、小田先生だけだろうと思います。

もちろん、手取り足取り教えてもらった訳ではありませんので、小田先生にしてみれば単に一受講生でしかなかったと思います。講義の中で質問したのも、たった一度だけでした。


しかし、講義内容は強烈でした。

当時は、古典を読んでも、それで何をどう治療すれば良いのかは、私にはさっぱりわかりませんでした。

しかし、真理みたいなものが書かれているのだと直感しました。

五運六気なんて、まさに地球との会話のような感じがしてました。


古典を解釈するのに普通の人は、文章を読みあさって重箱のスミをつっつくようなことをしてしまいます。

しかし、小田先生は違っていました。

一つの治療法をシステムと捉え、対応する穴の表を自分で作成し、治療に応用していたのです。

穴の解釈も古典に書かれているものとは全く違っていました。


望診ができれば経絡も穴も見えると言っていたので、きっとそうなるんだろうと思っていました。

実際、そうなりました。

私が若い時に、同じ人間で、こんな超人的なことができる人がいるということを示してもらえただけで十分でした。


現在、小田先生のシステムを使って治療することはありませんが、その時の感動が私の心を突き動かしたことは間違いありません。そして、鍼灸治療の枠を超えられたのも小田先生がいたからこそだと思っています。


だからこそ、私は、自分で考えたこと以外は、必ず、その人が考えたことだということを明記します。

それは、考えた人に対するリスペクトです。

何もないところから、たとえ古典というヒントがあったとしても新しい理論を作るというのは、本当にホネの折れる作業だと身をもって知っています。

全てを自分が考えたことのように話することは、絶対にしたくないし、一番嫌いなことです。


だから、当時、小田先生のシステムを使う時は必ず、小田先生の名前を出していました。

それが礼儀だと思っているからです。

開発者でないと、その苦しい思いはわからないだろうと思います。


だから、今の私が存在しているのは、小田先生の存在があったからこそだと今でも思っています。

そんな思いから生まれた動かさない運動法は、私の中では最高傑作です。

多くの人に広まって欲しいと思っていますし、広まるのが当然だとも思っています。

しかし、その思いは、紆余曲折あったからこそ頭の中から捻りだせた言葉であり方法です。


更に言えば言葉と方法だけを聞けば、超カンタンなことです。

しかし、この感覚は、かなり奥深い。

本当の意味を知れば、全てがつながるのだと理解できます。

超カンタンなことの中にこそ真理があるのだと思っています。

その深い意味を知るためには、更に深く入り込まないと絶対にわかることはありません。


これからももっともっと奥深く入ってみたいと思っています。

その思いを止めているのは、自分自身の中にある常識なのだと思います。







動かさない運動法は、私がお風呂の中で、ゆっくり綺麗に小さく動かすことを考えている時に発案した方法です。

指先を、ゆっくり綺麗に小さく同時に動かしてみると、一本一本しか指が動いていないことに気づいたのが始まりです。

なぜ、一本、一本しか動かないのか?

意識は、一つのことにしか集中できないのだと思ったことから、この動かさない運動法を考案しました。


だから、不得意な動きをしようとすると(例えば麻痺している手を動かそうとすると)動かそうとする前の段階で脳は、動かないことを知っているからから代償運動をして、見た目を動かしていると錯角させ自分自身を騙してしまうのです。

実は、ベンジャミン・リベットの言う0.5秒前の脳の活動は、この代償運動なのだと思った訳です。


トリックです。


つまり、うまくできないのは、嘘をついている(騙している)ことに気づかないことからはじまるということです。

大切なことは、それを認知することです。

認知することでしか、トリックモーションを変えることはできません。


これはスポーツにも応用できます。リハビリにも応用できます。鍼灸の「気」を解明することにもつながります。

自分自身を意識するという意味で瞑想にも応用できます。

様々な分野に応用することができる方法です。


人は自分自身にも嘘をつくということですが、それに気づくことです。

それが瞑想の極意と言えます。

嘘をつくことに気づかないように嘘をついてしまうのがトリックモーションです。

こんな簡単なことだから、これをやった人は、自分で考えたことみたいに思う人もいるかもわかりません。

真似しようとすれば誰でもできてしまうし、効果があるからです。


これも嘘です。


しかし、この方法は多くの人に伝えるべきであり、伝わらなくてはならないものだと思っています。

見た目だけを取り繕うような世界に、自分の脳の中に全てがあるのだということを実感してもらえたらと思っています。


動きの中に全てがある。

動きは波であり、エネルギーです。

意識の運動も運動と同じです。


多くの人にこれを体験してもらいたいなと思っています。




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