

Shyuichi Nakamura
- Nov 20, 2021
期待値
元陸上選手の為末氏の話はとても面白いと思います。 私は普段、無理なスポーツを推奨していませんが、スポーツから学べることは一杯あるなぁ~とつくづく思います。 また、現役でない限りスポーツはあくまでも遊びでなくてはなりません。それさえわかっていれば、どう取り組むべきかは自然にわかってきます。 もちろん、スポーツ選手にとっては、無理を承知でやることも必要なのだと思いますが一般の人にはそこまでのめり込む必要はありません。勘違いすると必ず怪我をします。 だから、高齢になってから行うスポーツは、頭と意識をしっかり使って自分と向き合ってこそだと思います。そうすると意外にも若い時にできなかったことができるようになったりします。 為末氏の話しの中で期待値を下げるというのがありました。 これは、講義をする時にもホントによく思うことです。若い時は、ちゃんとやらなきゃならないと思って、自分の実力のなさを過大評価して、その期待に応えようとしたりして失敗した経験もありました。 慣れだからと言われましたが、あきらかに周囲の期待と自分の期待値に解離があったように思います。それで


Shyuichi Nakamura
- Nov 19, 2021
首が痛いと言うけれど
首が痛くなって、それから歩行が困難になったという高齢者が来られました。 なるほど、首を動かすと痛そうです。 そこで、どう動かすと痛いのかを聞いてみると全部と言います。 つまり、どう動かしても痛みがあるという訳です。それはありえないから、どっちに動かすと痛みが強くなる? と聞くと左の方が強いかなぁ~。 やっぱり右も痛い。全部痛いと言うことになったみたいです。 それじゃ~捻ってみて、前後してみて・・・ 全て痛いと言います。 これぐらいの角度ではどう? と問いつめていくと左の方が痛いと言います。 それを調整してみると痛みがなくなったみたいですが、すると全部痛かった痛みが今は痛みはないと言います。 しかし、今度は腰が痛い、足が痛いと言います。 同じことを繰り返した後、歩いてみてと言うと杖をついていたのに杖をつかなくても歩けるていることに気づいてもらいました。自力で歩いているのですが、帰りには杖をしっかりついていました。 杖が頼りになって、杖は足になっているんだなぁ~と思います。 治ることはないかもしれませんが、その問題点は痛みじゃないんだろうなと思います


Shyuichi Nakamura
- Nov 18, 2021
痛いのではなく
痛いのではなく痛いと思いたいということもあります。 でも、そんな悩みを抱えている人も本当に痛みのある人と全く同じです。フェイクだとするのは間違いです。 それが何を意味しているのかをできるだけ追求する努力が必要です。 心は様々な症状を引き起こします。逆に心が症状を隠してしまうこともあります。どちらも問題だと思います。 それを引き出す為には、やはり分析が必要だと思います。 分析をして本当に症状があるのかないのかを認識してもらうことはとても大事です。それだけで身体に変化が起こります。 それができれば大半の症状はなくなってくるはずです。どんな病も心が作り出した可能性は否定できません。 それを引き出せないのは、問題が複雑すぎるのかも知れませんし、思っている狙いと違うのかもわかりません。 様々な角度から調べても納得のいく答えが導き出せないこともあると思います。 心は必ず身体の動きにあらわれてきます。 例えばビックリしたら、肩が上にあがって腰が抜けます。これは正常な反応です。それで肩が上にあがったままだと疲れてきます。そんなふうにして身体から心を作る可能性もあ


Shyuichi Nakamura
- Nov 17, 2021
どうすると痛い?
よく患者さんに聞くのですが、どうすると痛いと聞きます。 前に曲げると痛い? 横に倒すと痛い? 何もしなくても痛い? 全部痛いと言う人が時々います。 それは嘘です。 痛みは全部に痛みを起こすことはできません。 脳は一つの痛みを受容するようにできていて、全体が痛い時でもどちらかが強くどちらかが弱いというのが普通です。 その認識がないと何がどう変化したかがわかりません。 本来、痛みは同時に起こることを避けるようにできているみたいです。 しかし、全部痛いというのは感情的にはありえます。 もう何もかも嫌 全部痛いと言って逃げ出したい。 そう思っていると全部の痛みになったりします。 だからどこがどんなふうに痛いのかを明確にすることは、それだけで治療効果があります。 ホントに痛みとは不思議なものです。


Shyuichi Nakamura
- Nov 16, 2021
未来から過去
凝った場所に刺激すると気持ち良いと言う感覚があるから正義だとは言えません。 凝りは筋肉が弛緩している場所だから強く揉んだり鍼してはいけないということでした。 それではどれぐらいの刺激量が適当かというと、本当に触れるか触れないかぐらいの刺激の方が効果的です。 実は触れない刺激の方が効果的な場合もあります。 しかし、刺激量だけのことを言っている訳ではありません。 ここがよく誤解されることなのですが、強い刺激でも弱い刺激、弱い刺激でも強い刺激というのがあるのです。 それじゃ~なぜ弱い刺激と言うのか? 弱い刺激でできなければ強くて弱い刺激はできないからです。 そこに秘密があります。 最近、合気の話しに凝っていて、どっぷり嵌まっています。 もちろん、習いに行っている訳ではありません。YouTubeの動画を見ているだけです。 あんなに弱い刺激なのに、なぜ相手が抵抗できない力を生み出せるのか? 私の調整と全く同じだと感じました。 これができないと強くて弱い刺激というのはできないのだと思います。 しかし、なかなか難しくて、うまくいく時といかない時があるのです。


Shyuichi Nakamura
- Nov 15, 2021
凝り
凝りは、筋肉の収縮ではありえません。 凝りは、筋肉の弛緩です。 だから強く押さえると反発します。 揉み返しはそんなふうにして起こります。 なぜ反発するかと言えば、凝りは柔らかくなっているからです。マシュマロをギューギュー押せば潰れます。 美味しくない。 フワフワだから美味しいと感じる訳です。(あんまり食べたことないですが・・・) 柔らかい筋肉を強く押せば過剰運動になって疲れます。 柔らかい筋肉には柔らかい刺激が最適です。 当然ですが、鍼でも強刺激には向きません。 やってみるとわかります。 反発してきます。 その反発を術者が感じられないから強刺激してしまいます。 それを気持ち良いと勘違いするのは、殴られ続けると麻痺してくるのとよく似ています。 硬くなった筋肉を意識して触ると柔らかいとわかります。 意識しないと認知できません。 だから術者が変化しないといつまでも同じことを繰り返します。 麻痺した人を量産してしまいます。 鈍麻になる訳です。 触れ方があります。 それを知らないとどうしても強く押さえてしまう。 経験を積めばわかる訳ではありません。 強い刺


Shyuichi Nakamura
- Nov 14, 2021
筋肉の収縮と緊張は根本的に違う
筋肉の収縮は筋肉が縮むことです。 しかし、筋肉の緊張は筋肉が縮むことではありません。意外にこの違いをわかっていない人は多いと思います。 一般的に凝った状態を筋肉が緊張すると言っていますが、凝りは、筋肉の収縮ではなく腫れによる弛緩です。 例えば背中の凝りを目標にして治療をする治療家がいますが腫れている場所は緊張しているのではなく、逆に弛緩している場所です。この違いを理解していないと真逆のことをしてしまうことになります。ストレッチでも同じです。 この動画を見て貰うとわかるように右の背中の腫れがあるので胸椎7番あたりでは右回旋ができにくいという状況になっています。肩甲骨の内側を触ると気持ちいい状態です。この場所は弛緩しています。決して緊張している訳ではありません。 弛緩し筋肉は左回旋方向に引っぱられているので、右側は弛緩側(麻痺側)で、左側は健側となります。 だから、弛緩側である右側を使った方が改善します。ただ、無闇に右回旋すると逆に身体が緊張してきます。ストレッチをしてもこの筋肉が緩まない理由は弛緩側で使いにくいからです。 弊害は上肢や肩が緊張してき


Shyuichi Nakamura
- Nov 13, 2021
上部頸椎の動きと迷走神経
昨日の続きです。 昨日の動画と見比べてみれば違いはあきらかですが、上部頸椎の動きは迷走神経の通っている場所であり、迷走神経の機能を考えると、胃腸にも影響を与えていることはあきらかです。 逆に考えると胃腸から消化器系を通って口腔の異常を起こす場合もあるのではないかと考えられます。 逆も真なりです。 実は、この動画の方も歯茎の痛みから鼻にまで痛みが出ていたという状態でしたが、調整後に首の動きが良くなり、それと同時に鼻の痛みは軽減し、歯茎の圧痛だけになってきたみたいです。 ここで大事な観察は、軽減したということです。決して全てが治った訳ではありません。それが大事です。 解剖学を勉強していると、このような生理機能的な解釈が可能ですが、一般的には、歯茎の痛みがあれば歯科という考えになると思います。しかし、首の動きと迷走神経という考えからすると奇妙なことではありません。 迷走神経から胃腸、胃腸から口腔というのは全く別の経路ではないとわかります。 身体は一つですから離れているところは、どこもありません。どういうつながりであっても関係が深い浅いはあるにしろ、つな


Shyuichi Nakamura
- Nov 12, 2021
触診で首の動きをみる
首に痛みがある訳ではありません。 しかし、上部頸椎の左側の緊張があったので、ゆっくり左を向いてもらうと首が動きにくいのを確認できます。 何気ない動作のように見えますが、ここは神経も血管もリンパも多くが流れている場所です。後頚部の凝りはよく訴えられる症状ですが、耳の下の自覚症状はあまり多くありません。リンパが腫れた時ぐらいしか症状を訴えません。 しかし、自覚していないだけで、かなり多くの症状とリンクしているのが解剖を見ればわかります。この動画の例では顔を左へ捻る動きがそれをあらわしています。つまり、この部位の緊張と首の動きは連動しているということです。 ここは迷走神経の走行がある場所なので、自律神経にも大きな影響を与えています。 迷走神経は、脳神経の一つで、副交感神経の代表的な神経です。腹部まで到達し、内臓の機能にも影響をしています。主には副交感神経の繊維からなりますが、交感神経とも拮抗して、声帯、心臓、胃腸、消化腺の運動や分泌にも影響を与えると言われています。(実際に神経の流れを直接見た訳ではないので本当か嘘かはわかりませんが・・・) 胃腸の障害


Shyuichi Nakamura
- Nov 11, 2021
複雑過ぎる
はじめるのは簡単、終わるのは難しい。 複雑すぎる症例は、あちこち異常がでてきて、それを追いかけていると調整の目標を見失ってしまうことがあります。 異常が残っているからと言って続けていると、また戻って異常が起こったりします。 大事なことは、全体としてバランスをとることです。 問題が残っても全体としては完了している状態を見極められることが求められます。 これができそうでできにくい。 特にあるのかないのかよくわからない症状に対しては、その異常部位を見つけ出すことじたいが難しくなります。 例えば無菌性の膀胱炎のような状態は、菌も出ないから抗生物質も必要ない心因性のものとして片付けられます。 しかし、気のせいとは言えません。 まずは何が異常かを見つけることが大事です。 足をよく観察すると一つの答えが見つかったりします。 足が地に着いていない症状が出ていることが殆どです。 その異常は、股関節や恥骨に力がかかって膀胱や大腸にも問題を起こしたりします。 長期の便秘なども足が問題で出ている症状の場合もあります。無闇に投薬しても逆効果になってしまいます。 足をよく観