足をつくことができない痛み
足をつくことすらできない痛みの人が来院したらどう考えるか?
何から何を考えていけば良いのか?
この問題に対して様々な考え方ができると思います。
決して単純ではないはずです。
その問題点を一つ一つ解決するには、基礎的にどういう状態かを観察する必要があります。
何々の症状に対しての処置という考え方では対応できないということです。
もっと基本的なことから探らないとなりません。
基礎疾患で糖尿があって末端の循環は悪くなっています。
このあたりもとても厄介です。
手の指先や足の指もカチカチになっているので末梢循環が悪くなっているのは明白です。
それは、見れば直ぐにわかりますが、それだけが原因で、この症状が起こっている訳ではありません。
つまり、手足の指を揉んだり叩いたりして循環をよくしようと思っても意味はないということです。
末梢循環は少し良くなるかもわかりませんが、この痛みは消えません。
足をよく観察してみます。
と言っても痛みのある場所を観察するというより、身体に対しての足の位置はどうなっているのか?
ということです。
力学的な観点から考えてみます。
こういう足の痛みの方は、座位でも必ず身体の中心軸より患側の足を外に出して座ります。
それだけでも、足関節や膝、股関節の位置関係が予測できます。
足は内反、膝は内転という状態になります。
関節の可動域の話ではありません。
関節の遊びの話です。
通常は膝が内転することはありませんが、足首の内反が強くなると、自然にそうなります。
つまり膝の内側は引っ張られて、関節の遊びが大きくなり、内転しようとしてしまうのです。
膝の内転は、膝の内側が引き伸ばされた状態になり、外側が縮みます。
この異常が、どの高さから来ている異常なのかを考えると問題点が見えてきます。
足が外なら、どこかに内向きの力がかかっているはずだからです。
もし、そうでなかったら片足立ちすらできません。
力の配分を考えることは、全体を考えることにもなります。