胸の痛み

胸を押さえると痛みがあり、仰臥位から起きあがる時にも痛いという方でした。

胸を強く押さえても痛みがあるという状態です。




胸に固摂作用の弱りがあり、心臓と関係している感じなので、「ん?」って思ったのですが、よく調べていくと深さは筋肉です。動かした時の痛みもあるので推動作用の弱りかと思えますが違いました。


話しを聞いていると最近、デスクワークが多くなっていたと言うことです。背中を触ってみても、左側の胸椎5~7番あたり、肋骨下部の左側の緊張があり、胃腸にも影響があるのではと思いました。また、水滞の反応も胸を中心にお腹、左足にあり、腰の痛みもあります。


これらを総合的にみて考察てみると、心臓血管系の反応も疑いますが、筋肉の水分代謝異常なのかもという判断です。


全身に影響する経気(治本経気)はお腹にあり、この適応漢方薬は、柴胡桂枝湯 + 苓姜朮甘湯でした。

柴胡桂枝湯は、主には発熱、発汗して身体の痛みというのが主ですが、意外に体質改善にも使えるみたいです。特に胃腸関係の炎症のような症状の人には効果がありそうです。ここでも漢方薬を何の目的で使うのかによって作用は違ってくるのだと思います。漢方薬は、守備範囲が広いので、術者の思いが伝わりやすい薬だと思います。

苓姜朮甘湯も水分代謝異常と腰痛等にも効果的です。腰痛も実際にあり、たぶん胃腸にも関係している腰痛だろうと推察できます。


柴胡桂枝湯 + 苓姜朮甘湯と同等の鍼治療をすると、お腹から全身に影響がひろがり、胸や背中、腰にも影響がでました。


もちろん、これだけでは効果が薄いので、よく調べて行くと、小腸にも熱反応がありました。この反応が面白くて、小腸の後側には熱、前側には寒の反応がありました。

一つの器官で、寒熱があるということは、温めすぎても冷やしすぎても問題があるということです。


そういう場合、順番が関係し、最初に小腸の後側を冷やして、前側を温めるという鍼をしました。するとお腹の反応がなくなり、最初にあった胸の固摂作用の弱りもなくなります。


この状態で、仰臥位から起きあがってもらうと痛みがなくなり、「なにこれ~」と言っていましたが、痛みがなくなったそうです。


夏は、エアコンにかかる機会が多いので、冷えたり熱したりして身体の中は大変忙しくなります。身体が熱を持った時、水分をとって冷やすのは効果的ですが、水分の取り過ぎは逆に筋肉の緊張を起こします。熱中症は確かに怖いですが、水分を取り過ぎたら逆効果だとこの例からもわかります。

水分の取り過ぎは、身体の疲れを起こし、動きを止めてしまいます。食べ過ぎと同じで、身体が動きにくくなり、逆に身体を動かさないことで代謝が悪くなる場所ができて、余計に調子が悪くなったりもします。特に胃腸の弱い人は、水分であってもうまく吸収することができず、足に残ったり、手に残ったりして痛みやだるさに変化したりします。それが冷えとなって身体に残り、そこにクーラーで冷やすので、あちこち冷えが滞ります。


水を飲みなさいと言われたら飲み、飲んではいけませんと言われたら飲まない。

こういうことをしていると自分の身体の感覚を失ってしまいます。感覚はとても大事なものなのに身体の感覚を失わせるようなことばかりをしていると体調不良を引き起こしてしまうということになります。


もっともっと感覚を重視しましょう。







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