肘の痛み
野球をしていて肘が痛いと言います。
肩の痛みも起こしたりしますが、本当に肘が悪いかどうかは別問題です。
触診をしてみると、肘より上腕部(上腕二頭筋短頭)の方が緊張してます。
この場合、上腕二頭筋長頭ではないのです。
また、野球肘やテニス肘と言った症状のある人は、円回内筋や橈側手根屈筋の起始部が腫れるのですが、そういう問題は全くありません。
肘の痛みであっても肘が問題だとは言い切れません。
上腕二頭筋短頭は、烏口突起と言って肩甲骨の前側の突起のあるところから起こっています。
つまり肩甲骨の動きや鎖骨の動きと無関係ではないことがわかります。
投球動作をする時、肘への負担より、肩甲骨や肋骨の負担の方が強い場合もあります。
私が言う負担というのは、使っていないところです。
使っているところは緊張しませんが、使っていないところと差ができると異常がでてくるのは使っていないところです。
だから投球動作で使っていないのは、逆に肘の内側部ということが言えます。
あと、上腕三頭筋にも対角線上に緊張があることから、伸筋側も使っていません。
内側と外側でバランスをとっていることがよくわかります。
これは何を意味しているかというと投球動作をする時にやや内旋しながら投げるということが言えます。
そうなると左足をあげて右脚に体重がかかった時から投げるまでの動作が異常で肘の痛みがでているということがわかります。足の内旋や外反にも異常があることからもそれがわかります。
肩甲骨と鎖骨にも圧痛があり、大胸筋のところにも緊張があるので、内側の筋肉がうまく使えないということがわかります。
肘の故障は伸筋側の異常のことが多いですが、この場合、屈筋の運動不足から起こる痛みだとおわかります。
こういう考察をしていると、投球動作がなんとなく見えてくるから面白いのです。
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