第七肋骨
肋骨は本当に不思議な骨だなと思うことがあります。
左の腰痛と足の痺れを訴えて来院された方ですが、問題は右の第七肋骨に反応がありました。
第七肋骨のみ?
と思われるかもわかりませんが、第七肋骨のみで、第六肋骨には問題はありません。
隣り合う肋骨ですが、異常な肋骨とそうでない肋骨が、すぐとなりにあるのは不思議な感じです。
しかも、左の腰の痛みであるにもかかわらず、右の肋骨の問題というのは不思議な感じがしますが、右肋骨の中には、肺の下部、横隔膜、肝臓があります。当然、これらの機能にも影響を与えるはずです。
肝臓は筋肉のエネルギー源であるブドウ糖を貯蔵したり、タンパク質を合成したり、アンモニアを解毒したりしています。
肺も筋肉がないと呼吸が成立しません。そのもっとも中心的な存在の筋肉が横隔膜です。
よく考えると右の肋骨は、筋肉と関係のあるこれらの臓器のある場所なのかなとこじつけられます。
異常反応があると筋力が脱力し、急激な力に耐えられず、支持を失います。
つまり、体幹に軸がなくなり、グニャグニャするということです。
左側は患側なのにしっかりしています。
異常な筋肉は、ゆっくりだと硬くなり、急激な力だと支持を失います。
これもとても面白い法則です。
しかし、このバランスがとれると、右も左もしっかりしてきます。
当然、体幹がしっかりすると、腰痛も楽になります。
肋骨は、下に斜めに下がって走行していますが、これは体幹の捻れを吸収する為ではないかと考えています。
呼吸をした時、吸気では横隔膜が下がります。
その為、肋骨の下部は横に広がるように膨れます。
更に呼吸が入ることで胸の上部が動きます。
逆に上部の肋骨は最初は縮む傾向にあり、最大吸気になって、最後膨らみます。
その時に、腹部の筋肉の作用を使うので、肋骨に何らかの異常が起こると、腹部の筋肉を使えず、胸部を膨らますことができません。
その為に、最大吸気にならず胸部に呼吸を入れられなくなります。
腰を猫腰のように丸めると、最大吸気ができなくなります。
腰をたてないと肋骨の下部も上部も使える呼吸にはならないということです。
このような状態になると、呼吸が落ち、肩が前に落ち込み猫背になります。
その影響から腰椎は伸展気味になり、腰にも負担がかかるのではないかと思います。
その時に上肢にも影響があるので、肘や肩にも異常を起こします。
腰痛の場合、上半身に問題が出やすくなるのは、このためだろうと予測しています。特に上腕二頭筋内側部は緊張が強くなり、大胸筋や、肩甲骨を内転させる筋肉である大菱形筋や僧帽筋にも影響があります。
これが胸椎下部でねじれを起こし対側の腰の痛みになってでた例でした。
あらゆるところと関係があるのだと思います。
Commentaires