バランス
東洋医学をやっている人にバランスという言葉を使う人が多いように思います。
しかし、バランスというのは右と左、内側と外側というように対極にある何かが作用している必要があります。
つまり、右が下がったら左が上がるというような対になった現象のことを言うはずです。
どのバランスが崩れているかを考えないでバランスと言っている人がいるのはびっくりします。
よく言われるのは気血水のバランスと言う表現をしますが、気血水はつながっているので表現としては悪くはないのですが、気が強くなれば水や血が確実にどう変化するという明確なものはありません。
目に見える形のバランスなのか?
目に見えない「気」としてのバランスなのか?
目に見えないバランスであるならば、見える形(感じる形)にしなければ把握できませんし、効果も判定できません。
硬い筋肉に鍼を打ったからバランスをととのえているになるの?
それはありえないです。
右側と左側だけではなく、捻れもあり高さもあります。
右上が低く、左下が高いというような複雑なバランスもあります。
何かが下がれば、何かが確実にあがるという場合にのみバランスという表現が適切になると私は思います。
脈診をすると過不足が見えますが、その過不足は何と関係した過不足なのか?
ただ、一部の脈が高いからバランスが悪いと言えるのか?
もっともっと深く考える必要があると思うのですが、それを訪ねてもあまり納得できる答えが返ってきません。
しかし、それがまことしやかに議論しているのですから東洋医学が怪しいと言われても仕方がないのかもわかりません。
そういう言葉の端々を明確にしていくことが東洋医学の発展につながると感じます。
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