鍼灸と量子力学(その7)
イメージによって変化する身体
一般的に、肩が緊張している状態は持続するものと考えられていますが、本当にそうでしょうか?
術者の意識の変化によって、緊張が一瞬で弛緩に変わることもあり得ます。緊張をエネルギーの状態として捉えることができれば、緊張が弛緩に一瞬で変化しても不思議ではありません。エネルギーのプラスとマイナスの変化と捉えることができるからです。
熟練した術者は、自身のイメージというエネルギーを相手に与えることで、その人の状態を変えられることを知っているはずです。これは鍼灸治療を行う上での最低条件です。逆に言えば、初心者でもこのことを理解し実践すれば達人レベルになれる可能性を秘めているということです。
りんごは同じではない
同じりんごを見ても、全く同じ感想を持つことはありません。人の感覚は経験や知識に左右され、例えば「りんごは赤い」と言われても、「青いりんご」が一般的だと考える人には潜在的な抵抗があるはずです。「一般的なりんご」という条件を設ければ答えは似てきますが、条件を広げれば多様な答えが出て当然です。
りんごの見え方すら条件によって異なるのですから、人間の身体の評価が人によって異なるのは当然です。したがって、達人同士でも触診や脈診による「証」の判断が一致しないのは当然であり、一致しないから信憑性がないという考えは、身体を物質としてしか見ていない古典物理的な視点と言えます。
しかし、達人は診断結果が異なっても効果を出すことができます。方法論にこだわる論理派は、論理的な正しさを主張しますが、結果が出なければ意味がありません。
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