鍼灸と量子力学(その3)
エネルギーとは
エネルギーとは仕事をする能力であり、運動エネルギー、位置エネルギー、熱エネルギー、光エネルギー、電気エネルギーなど、様々な形態がありますが、全て肉眼ではその姿を見ることはできません。
またエネルギーは静的なものではなく動的です。電子は常に動いているので、直接質量をはかることはできません。もちろん間接的に正確に測ることができています。現在の最新の測定機では電子の質量は約9.1093837015 × 10^-31 kgです。しかし、一般的な重さを測るような方法では計測できません。
もちろん、これは量子の世界の話です。この量子の世界も直接目で見ることはできませんし、それを実感することは難しいと思います。なぜそうなっているのか現代の科学でも完全には説明できていません。ただ、そうなっているとしか言えないのです。理由が解明できれば、もっと科学は進歩するのは間違いありません。
この事実を受け止めるのであれば、物質は肉眼で見えるものだけと考えるのは早計だとわかります。古典物理学の世界観だけで説明できる程、この世で起こっている事は単純ではないということです。
この考え方は、医学にも言えると思います。物質を追求し続けてきた西洋医学でも理由のわからない症例は山程あります。これに対して鍼灸治療が効果的に働くこともあります。つまり、東洋医学は、そのポテンシャルを秘めている医学だと言えるのです。しかし、最近の鍼灸は、物質優位に傾倒しているように思えてなりません。
これは西洋医学を中心にした学校教育のたまものなのではないかと私は思っています。物質の範疇を超え、エネルギーの塊として人間の身体を捉える教育が、鍼灸治療のあり方を変えるきっかけになるのではないかと思っています。そのような視点で鍼灸治療を見ていくと新しい現象に気づき、臨床の可能性が一気に広がります。
鍼灸治療は、エネルギーのありようを感覚で捉え、診断し、治療を行う治療法だとも言えるのですから、工夫次第で、もっともっと発展して良いはずです。
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