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鍼灸と量子力学(その10)

エネルギーは仕事をする能力を指します。静止しているものはエネルギーとは言えません。しかし、静止しているように見える物質にも膨大なエネルギーが含まれています。これは量子力学の研究からもあきらかです。


感覚では、静止状態を詳細に観察すると、そこにエネルギーの変化を感じるはずです。それが生きた生物の本質です。

磁石による身体の反応は、それをあらわしているのではないかとも思います。このような意味で、磁石など方向性を持つものを近づけて身体の変化を観察することは、身体の状態を知る一つの手段になると思います。この現象を確認する為には、力強く肩をつまんでは明確な変化を感じることはできません。

微弱なエネルギーの状態を観察する訳ですから、術者は細心の注意を払って観察する必要があります。術者が細心の注意を払ってもわかりやすい患者とわかりにくい患者が存在することもやってみればわかると思います。


わかりやすい患者とわかりにくい患者


患者の状態を把握しようとしても、わかりやすいものとわかりにくいものがあります。異常を明確にするためには、術者の純粋な思考エネルギーが必要不可欠ですが、それでもわかりにくい患者が存在します。これは病態が層状になっているからです。

例えば、「なんとなく体調がすぐれない」と訴える患者の場合、特定の部位が悪いというわけではありません。このような患者や、自分で症状を訴えられない小児の場合、どこを治療するべきかを決めるのは難しく、治療目標は術者の経験に委ねられます。そんな状態の患者でも磁石を使った経絡の反応を観察すると目標が明確になってきます。前述の磁石を使った身体の反射を調べる方法を用いると、以下の部位に強い異常反応が見られました。


  • 右手の肺経の天府周囲

  • 右心包経の曲沢周囲

  • 右大腸経の曲池周囲

  • 左胃経の粱門周囲

  • 左腎経の陰谷周囲

  • 左三陰交周囲

  • 左膀胱経の胃兪周囲

  • 左胆経の日月周囲


この結果から、主に右手と左手に問題があるように見えます。調べ方としては、右肩と左肩を比較し、右肩が緊張していることを確認しました。この場合、右肩をインディケーター筋とします。つまり、この緊張が経絡上に磁石を置くと緩む(変化する)場所を探すということです。


これらのポイントが相互作用を起こし、「なんとなく疲れる」や「呼吸がしづらい」などの不定愁訴が現れていると考えられます。異常部位は一つではなく複数にあり、そのため反応がわかりづらくなっているのです。また、異常には深さがあり、表層と深層の異常があると考えられます。右手と左足でバランスをとり、さらに左のお腹のあたりにも問題があると予測できます。胆経や胃経はお腹のあたりで異常を起こしていますが、この反応は深い部分にあり、手足の異常は浅い部分にあると考えられます。体幹と手足で表層と深層のバランスをとっているのです。


これらの異常が全てなくなる部位への刺激を考え、脈証でそれを予測し、刺激点を選択して再度同じテストを繰り返すことで、最も効果的な刺激点を見つけることができるはずです。つまり、これが治本法になるということです。


一般的には、治本法は脉診を行い「証」を立てる方法をとりますが、その方法では術者の経験や勘に頼ることになってしまいます。しかし、このように経絡上に磁石を置いて地道に経絡を調べていく方法によって異常部位を確実に確認し、その刺激点を探していくやり方で、明確な効果を得ることが可能になります。

基礎的な実験による確認は、なかなか人に受け入れられないことは十分に認識していますが、そういう基礎をしっかりやっていかないと脉診すらできない鍼灸師を量産しつづけることになります。


または、経絡治療のように脉診で「証」を決定するとなると、途中で様々な疑問がでてきて、結局は何もできなかったということになってしまうことも考えられます。

臨床的なようで、臨床的でない方法ということになってしまうのです。

排他的な意味ではなく初学者は、自然にそうなってしまうことが多いという現実があるということです。




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