皮膚の存在
皮膚は、常に外界と内界を隔てている膜です。
この膜は様々な機能をしていることが近年の研究でわかってきました。
それはブログでも何度か書いていますが、皮膚の問題が腰痛や肩こりなどの関節の障害にも大きな影響を与えているのは臨床をやっていれば常に感じます。
首の強烈な痛みに対しては骨や筋肉、関節が問題だと一般の人も専門家も考えてしまいがちですが、本当にそうなのだろうかと考えてみる必要があります。
鍼治療は、皮膚に刺激をする治療法なのですが、皮膚の異常に注意を向ける人は多くないように思います。
首の強烈な痛みに対して、肘の内側、大腿前外側、側胸部、側腹部、側頸部の皮膚を軽くつまんでみると左右差があり、その皮膚の緊張がなくなると症状もなくなり、肩全体が一瞬で緩んできたりします。
また、やや強く摘んでみるとつねられるような痛みを感じたりすることもあります。
鍼を斜め当てて撫でるだけで強烈な痛みを感じる場合もあります。
症状が落ち着いてくると、同じことをしても痛がりません。
一瞬で変わる場合もあれば、次の日にそうなる人もいます。
漢方をやる人は、その人の体質に対して云々するのですが、あまり位置的なことに注目する人は少ないように思います。
また深さに注意する人も少ないように思います。
胸に熱があるということは言えても、その胸の熱は皮膚にあるのか筋肉にあるのか、内臓にあるのか、肺にあるのか心臓にあるのか?
もし肺にあったら右なのか左なのか上葉なのか下葉なのか前なのか後ろなのかということはあまり明確にはしないように思います。
中医学が好きで、若い時は本を読みまくりましたが、中医学の本を読んでも答えてくれません。
なにか抜けているんじゃないかと思い、中医学の本を読むのをやめました。
何に対して行った刺激なのかが抜けていて効果があるのか?
そう思ってしまうのです。
そういう意味で皮膚に問題がある場合、皮膚に対してアプローチしないと効果を得られないんじゃないかと思うのですが、誰もその答えに答えてくれません。
ホントに何故なのか不思議です。
肩の痛みは肩の問題なのか?
と疑問に思う人は、少ないのではないかと思います。
この本はとても参考になりました。
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