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痛みはホントに不思議

ある格闘家が試合中に骨折したことがわかったのに、そのまま戦い続けられたそうです。

試合中は、もしかすると折れているかもしれないというぐらいだったのに、その試合が終わると、かなりの痛みでグローブが外せないぐらいだったそうです。

普通なら次ぎの試合は棄権するはずですが、そのまま、二試合目をやったみたいですが相当痛かったと思います。


その時の感想は、一度痛みを認識してしまうとパンチを打とうと思っても脳が止めてしまうんです。

と言っていました。

痛みを一度認識してしまうと、大切な試合で、自分がどうなっても良いと強く思っていても脳が動きを止めてしまうということです。あれだけ気の強い選手ですらそう思ってしまうのですから、どれだけ強い精神力をもっていても、それを止めることはできないのだと思います。


だから強烈な腰の痛みを伴った人に動かせと言われても動けるはずがありません。脳が動きを止めているので無理なのだと思います。ただ、唯一僅かに動かすことはできます。

僅かに動かすことをやり続けていると、動きを止めている脳のロックが少しずつ解除していきます。この脳のロックを早く解除した方が、後遺症なく上手く治癒します。

しかし、強烈な痛みは、根深いところにロックをかけてしまうので、それが癖となって身体に残ります。精神的なものではなく、身体に刻み込まれるので、ロックを外すのは容易でなくなってきます。

だからこそ、身体に問いかけながら、出来るだけ痛みをとって、脳のロックを解除することが重要になってくるのです。


怪我をしたら早いうちから動かすことを前提にしていないと治りが遅くなるということです。しかし、闇雲に動かせば痛みが出ます。慎重に動かすと脳が活性し、意識が高まり痛い動きとそうでない動きを明確に認識することができます。

痛みを認識して痛みが起こるのですから、動きを明確にし動きの明確な認識を作れば、そのロックを徐々に解除することができるようになってくるのです。その為にも、ゆっくり、小さい動きが必要になってくるのです。


ゆっくり小さく綺麗な動きというのは、怪我の臨床をしていても気づいたことです。これは痛みのない動きでも同じことが言える訳です。むしろ痛みのない動きの方が効果的に働きます。ちょっとやるだけで動きが軽くなったりするのは、関節ではなく脳へのアプローチと言えます。


その為にも痛みと向き合う必要があるということだと思います。しかし、これは、かなり集中力のいる作業です。










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