最近よく考えます5
立位で仙骨のあたりを術者が持って、揺らしてみるという検査があります。
これは、重心移動を検査する方法だと思うのですが、私のやり方は、かなり感覚的な方法を使います。
それは僅かしか重心移動をさせないという方法です。
全方向に僅かな変化を与えることで、異常を読みとり、どの位置で重心が上手く保てないのかというのを検査するのです。
重心の初動を読み取る検査法ですので、リハビリの考え方の重心とは違います。
異常が起こる前の段階を読み取る方法と言えます。
この方法で得られる情報は網様体脊髄路の情報を読み取っていると考えています。
ある方向に重心を移動させると、あきらかに違和感を感じ、その結果上半身に緊張が起こるのがわかります。
つまり上半身でバランスをとってしまうのです。
上半身の力を入れさせないようにしながら僅かに重心移動をさせると、僅かな動きであっても耐えられない位置というのがあります。
面白いのは、その位置が対角線上にあるということです。
例えば左前に違和感があった場合、右後にも必ず違和感を感じます。
ただ、右後の違和感は左前の違和感に対して半分か1/3程度の違和感です。
多分、その力は他の方向へも分散させているのだろうと思います。
そうでないと重心の総量が合わないからです。
たぶん、上半身や足の先にも力を分散させているはずです。
脳幹網様体脊髄路の神経系統にも片寄りがあるということを示しているのではないかと思います。
それが面白い現象なのです。
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