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一対多、多対多3

データベースの関連性と東洋医学の「証」を結びつけることは斬新な考え方だと思いますが、構造は全く同じです。


例えば喘息の人がいたとします。


喘息の人って、胸が縮んでいます。

下腿部やアキレス腱が硬い

左側腹部の緊張

猫背になっていたりします。


これらは、特徴としてとらえることができます。

それを観察できることが大事です。

これは一対多の関係性です。

全く同じではありませんが、よく似た傾向があるということになります。


次に胃腸障害の人がいたとします。


お腹の緊張があります。

特に上腹部ですがやや左側

背中も左側の緊張があります。

股関節の腫れがあります。

胃アトニーと呼ばれる人達の特徴だと思います。


次に膝の痛みがある人がいます。

ちょっと膝の変形があるような人です。


背中の緊張が患側にでやすくなります。

膝だけでなく肘にも緊張が出やすくなります。

患側の肩上部はパンパン

患側の足首もパンパンで下腿部の緊張もあります。


データベースで言えば、それぞれの人とは違うデータの集まりと言えます。

つまり一つのテーブルの集まりで、それぞれの症状はフィールド(項目)と言えます。


それでは胃腸障害における背中の緊張と膝の痛みにおける背中の緊張は、背中というキーワードでは多対多の関係になります。

背中の緊張と膝の痛み、胃腸障害というのはつながっていると考えられます。


身体的な特徴ですが、これに合わせて、環境や感情などの心理的要素や遺伝的要素が加わると、更に複雑になってきます。

もちろん血液検査や画像検査等も要素として含まれます。


そうなると多対多どころではすまなくなりますよね。

一気に複雑さを感じると思います。

そんなことを全て観察していたとしたら、一日一人か二人しか治療できません。

それでも経験を積むと、直感が働くようになってきます。

そして短時間で多対多の要素をひとまとめにして、調整していくことができるようになります。


それらの症状がまとまって抜け落ちる感じです。

背中の緊張という要素が排除されることで、膝の痛みの人と胃腸障害の人に何らかの影響を与えることができる可能性が広がる訳です。

また喘息の人の下腿部の緊張とも関連性がでてきます。


全てがなくなる必要はありません。

悪い要素が減ることが重要なのです。


一箇所刺激しただけで目が見えるようになったり肩が軽くなって首の動きがよくなったり、胸がスッとして流れるような感じになったりするのは、この多対多の関係性をひとまとめにして、調整することができるからです。

そういう考え方ができると患者さんがビックリして何が起こっているか理解できない人もいます。

しかし、動きも軽さも今までとは違うのを実感する訳です。


東洋医学の醍醐味があるとするならば、この多対多の関係をひとまとめにする技術です。

それができるかどうかで効果も大きく変わってきます。


文章にしてみると簡単そうに思えるかもわかりませんが、これをやる為には、一対一、一対多の現象を複数の角度から検証していく必要があります。

それを検証するのに知識や経験はいりません。

というか邪魔になるので、ただただ観察するという単純作業が必要になってきます。


多対多の考察は、知識や経験が必要になってきますが、順番が違うのです。

まず一対多の関係性を十分理解してからでないと知識や経験は機能しにくいということです。


ただ、ただ観察するというのは、直接治療にはつながらない作業のように感じられるかもわかりませんが、これを理解しないと絶対に前にすすむことはできません。





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