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なぜそうなるのか?

手の腱を、ちょっとした事故で断裂させてしまった方が、手術を受けて、やっとギブスが外れた状態でした。

一回目のリハビリでかなり痛い思いをしたらしく、貧血で倒れてしまったみたいです。


動かさなければならないのは当然のことですが、今まで固定されて動かなかったものを急激に動かしたら痛いに決まっています。そこで理学療法士が、「次くる時はロキソニンを飲んでから来てください」と言ったそうです。


「はぁ~」


人間を機械かなにかと勘違いしてない?

エンジンですら、難年も放置したら急激に高回転で回せば調子悪くなるのに、人間の身体をなんと思っているのか?

そんなことを言える医療者が不思議でたまりません。しかも痛み止めは、注意深く使わないといけないタイプの人です。


車に乗るのも片手だけでなんとか乗れるという状況です。

そんなに酷なリハビリが今必要あるの?

と思います。


私の調整は、ちょっと動かし方を指示しただけです。殆ど触れてもいませんが、指が動きはじめてきて、自分の指を動かしている実感が出たと言って喜んでいました。

そして、帰り道の車の中から、こんなメッセージを送ってくれました。


★★★★★★★★★★★★★★★★★

凄いんです!

玉城に入ったくらいで左手中指がハンドルに手を添え始めて!


今まで人差し指と親指の間にハンドルを挟んでいただけなんです。


左折右折は右手だけで動かしてました。多気町に入って右折する時、左手も一緒にハンドルについてきていてビックリ!肘も動くようになったのからかなあと。手首でハンドルを押さえてる感じもあって感動てした。

★★★★★★★★★★★★★★★★★


動かせるようになったら、勝手に動いてくるんです。それが脳の仕組みです。

無理やり動かそうとしなくても動くようになるのです。

無意識に元に戻ろうと動くようになります。それが自然の泄利なのです。

強い力を加える必要はなく、指示するだけで違ってきます。

ただ、それをやるかどうかは本人次第です。


私は常に指示するだけです。 

単純な指示だけですから、わかりにくい指示をしたことはありません。しかし、真剣にそれをやってみないと、いかに難しく簡単でないかが絶対にわかりません。

難しくてもやり続けられる人だけが治っていきます。


できる人とできない人というのは、その説明の仕方ではありません。なぜなら、やり方は単純なことだからです。

それ以上説明のしようがないほど単純なことです。

しかし、なんど説明しても忘れてしまったからと言って同じことを初めて聞いたように聞いてくる人も多くいます。


でも、私はそれを良いとか悪いと思わず、時間のある時は丁寧に説明します。

単純なことですから、時間があれば何度でも納得いくまで話をします。


やりたい人は何が何でもやりますし、そんな人は、次に来た時に必ず上手くなっています。

やりたくない人は、どれだけ言っても、丁寧に説明してもやりません。

その人が最初から決めているので、その無意識を変えようとしても無駄な努力に終わります。

治りたいのか治りたくないのかすらわかりません。

だから、私は、そのことに感情を使うのをやめています。


やっているかやっていないかは、目の前で動きを見せてもらったらすぐにわかります。

指示したことをやっていない時は修正の方法を伝えます。


長く治療家をやっていると、本当にそういうことがよくわかるようになります。


リハビリをして痛みがあったら、次にリハビリを受ける時に、どうしても肩に力が入ってしまいます。そんな状況で良くなるとは思えません。感情は目に見えるような実態がありませんが、実は目に見える以上に実態があるのです。

きっと、その担当者は、自分が治してやるとか、自分が治さなきゃ~と言う気持ちが強いのでしょうね。

そういう気持ちは、崇高なことなので否定はしませんが肯定もしません。


リハビリ治療が、よほど辛かったのか動くようになって指先の実感がでてきたら涙していました。

そういう感情を起こせてこそ人は変化してくるのだと思います。

しかし、それはその人自身が持っているものです。

ただ、その感情が長く続くとは思っていません。

また、変化してきます。

それも受け入れつつ、自分のやるべきことをやり続けます。


さぁ~これからが問題です。

この感情を保たせたまま、どこまでやってくれるかは、その人に任せます。

その人の人生ですから、その人が全てを決める。

それに口出しをしない。


口出しして無理やり良い方向に連れて行っても必ず元に戻ります。

その人が望んでいることなので、それを修正することは自然に反することなのだとも思います。

ある意味、治療家というのは、自然に反する行為なのかもしれません。

そのことを治療家は絶対に忘れてはなりません。


今後も注意深く観察していきたいと思っています。


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