運動と基準
- Shyuichi Nakamura

- 9月8日
- 読了時間: 3分
怪我を防ぐための運動の前提
「基準」の認識
運動の本当の意味:意識と脳の役割一般的な「筋肉を動かすこと」という運動の定義に疑問をもっています。運動の根源は「運動したい」という「思い(意識)」にあります。その意識が脳に伝わり、脳が司令塔となって体を動かすというプロセスを解説しました。
無意識の癖と代償運動脳の指令が体に伝わる過程で、無意識の癖が動作に影響を与えます。五十肩の患者が手をあげるとき、肩甲骨から不自然に上げる「代償運動」を例に、痛みや長年の習慣が非効率的な体の使い方を定着させてしまうということを例に上げて説明しました。
脳の特化と習慣:文化とスポーツの例箸を使う文化や正座、スポーツ(野球、テニスなど)を例に挙げて、特定の動作を繰り返すことで脳がその動きに特化していくことで、その人の本質的な動きを決めます。この時に重要なものが目からの情報や肌感覚、そして今、手や足がどの位置にあるかという感覚です。目からの情報を遮断すると、位置情報が明確になってきます。
運動の前提:「基準」の重要性多くの人が自分の姿勢を「まっすぐ」だと思い込んでいますが、実際には腰が引けていたり左右非対称であったりと、無意識に崩れた姿勢をとっているのが普通です。この「基準」のずれが思い通りに運動を行えない理由の一つです。
体の「基準」を見つけるための実践エクササイズ椅子に浅く腰掛け、(1)つま先を正面に向ける (2)膝の間に拳一つ分の隙間を作る (3)膝の真下に足を置く、という具体的な方法で体の「基準」となる座り方です。この姿勢で感じる「違和感」に注目することが大切です。
「基準」のずれと怪我のリスク体の「基準」がずれたまま運動することは、空気圧の違うタイヤで高速道路を走るようなものです。今は良くても、必ず怪我につながる動きを作ってしまいます。それを治すのではなく、認識することが大切です。1㎝ズレているのが自分の癖だと認識していれば、修正は可能です。
真っ直ぐな人はいない基本的に左右対称はありえません。目に見える部分は、左右対称のように見えても内臓は、左右対称ではありません。身体の中心にある臓器が左右非対称なので、必ず非対称になるのが普通です。ただ、それが大きくズレないように意識していることと、それを認識していることがとても重要なのです。
結論
運動の真髄は、物理的な動きそのものではなく、それを引き起こす意識と、その指令を体に伝える脳の作用にある。
怪我や習慣によって、体は無意識に痛みを避けるための不自然な「代償運動」を学習してしまい、それがさらなる問題を引き起こす原因となる。
日常の習慣や専門的なトレーニングは、特定の動きに特化した脳を作り上げ、それが体の使い方や能力を決定づける。
運動を行うためには、まず自分自身の体の「基準」となる正しいニュートラルな姿勢がどこにあるかを知ることが不可欠である。
基準の姿勢をとった時に感じる「違和感」は、普段の体の歪みや癖を示している。例えば、大腿の内側に違和感があれば、普段は足が外向きになっている証拠である。
体の基準のずれを自覚せずに運動を始めると、負荷が偏って怪我をするリスクが非常に高くなる。運動の成果を上げるためにも、まず自分の正しい位置を知ることが最優先である。
修正ではなく、認識が最優先される必要がある。
いかに力を抜きながら動けるか?
これが本当に大きなテーマです。この時に音を使うことが大切ということもセミナーでは話をしました。






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