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10月8日東京


今まで、様々な診断法を紹介してきました。

一つ一つの診断方法は単純で簡単なものばかりです。


触れる、動かす、引っ張る、叩く

これらを行うことで何を導き出せるかというのが一つのテーマであり、感覚を研ぎすませる為に必要な方法です。

今までは徹底的にそれを習得してもらうことに注力してきました。


しかし、その方法がわかっただけでは診断は上手くなりません。

これらは制御と認知の段階です。

制御と認知は、次の記憶につなげなければなりません。


記憶は、知識であり経験です。

制御と認知は記憶を入れてはなりませんが、次の段階である記憶は知識や経験が入らなければなりません。

それが条件設定です。


日本語と言う記憶がなければ、日本語での会話が成り立たないのと同様に脈診や触診にも言語と同様のフォーマットがあります。

触診のような感覚に頼る診断法は、言語のような条件設定が何よりも重要です。

これをわかっていないと絶対に触診は上手くなりません。


例えば、東洋医学における脈診も、なぜ右寸の脈が肺、大腸経と関係があるのか?

その証拠は?

そして一般人がそれを実感する方法は?

と問われたら、きっと誰も答えられないと思います。


ある意味、東洋医学は、こじつけなのです。

誰かが、この脈は肺経と大腸経のシンボルになるよ。

と言ったのです。


それを証明するのが拡張された脈診部の反応です。

これは今までの概念にない脈診であり、気水血、陰陽表裏虚実寒熱も同時に診断できるので、病態を形で把握しやすいという特徴があります。


過去の偉人たちの様々な理屈で右寸が肺経、大腸経の診断ができると設定したということはあっても、その理屈で追試できる程、完璧な理屈にはなっていないと思います。

もし、それが完璧であるならば、目に見えるようなあきらかなものになっているはずですし、中医のベテラン経験者が脈診を行えば、脈診の結果は同じになっているはずですが同じにはなりません。


なぜなら目に見えるものではないから確認のしようがないからです。

目に見えないものを扱うことが東洋医学です。

目には見えないからこそ、そのフォーマットを個別に臨床に合うように自由に変更することができるのです。

何よりも重要なことは、その診断によって結果を出すことです。


学校では問題と答えが一対一の関係にあるので、それを学びすぎると、こじつけで医療が行えるのか?

という疑問が湧いてきて、正しい判断ができなくなってしまいます。

知識や経験がフォーマットを崩す(余計な思考が迷いの世界にまっしぐら)のです。

しかし、一見するとこじつけに見えますが、結果は最大の結果を出すことができます。


短時間の少ない刺激で、全身に与えることができるのは、他の治療法にはないものです。

そういう醍醐味を味わうには、明確な考え方とそれを支持する勇気が必要です。


勇気は感情ですが、この勇気があってこそ、新しいものが生まれます。

そして制御、認知、記憶、感情という大脳基底核ループを最大限に発揮させることで、感覚が研ぎ澄まされ触診や脈診が意のままになってくるのです。


それを知らないで触診や脈診を行っても迷いが生じるばかりで臨床には、なんの役にも立たないものになってしまいます。

つまり、脈診をする為の脈診を行っていて、臨床に役立つ脈診を行っていないということです。


東洋医学の秘密を知りたい方や、臨床で効果をあげたい方はセミナーに参加してみてください。

今までの概念とは全く違う触診や脈診を捉えられるようになると思います。


この考え方は、鍼灸だけのものではなく、原理さえわかれば様々なものに応用することができます。





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