関節観察の重要性(その4)
初動の動きと脳神経(動かさない運動)
ただ動かすのではなく、脳神経と動きがつながる瞬間に意識を向けるということが小さくゆっくり綺麗に動かす目的です。これが「動かさない運動法」の重要なポイントです。動かさない運動法も私が開発したもっとも画期的な方法だと思います。同じようなことを言っている人がいたら私の関係者だと思って間違いないでしょう。
思うことは運動の一部です。思わなければ運動はありえません。動かそうと思ったことは意識ですが、動かそうと思う前の段階から脳は活動しています。思うのと同時に(やや動きは遅れる)初動が起こるので、この初動の中に中枢と末端がつながる瞬間があります。これに気づけるかどうかです。
動かそうと思う0.5秒前には補足運動野は活動していることは証明されているので納得できる話だと思います。
意識はまっすぐ動いているつもりでも無意識が曲がって動かす命令をしていると、曲がったまましか動けません。曲がったまま動いていても意識は真っ直ぐ動いていると勘違いしているので、ゆっくり動かさないと動きの不正を見抜けないのです。これが無意識と意識のズレです。このズレはやがて身体の癖を作ります。その癖が痛みや症状になってあらわれるのです。
このような癖はやがて内外でも問題を起こし、内臓へも影響することが容易に想像できると思います。
無意識と「気」
殆どの動きは無意識であり、意識は数パーセントしかないのではないでしょうか。歩行時に右足を出して次に左足を出すと意識しなくても足が出せるのも無意識があってこそです。
しかし、人間は頭でっかちになり過ぎたので、無意識を無視して意識の方が勝っていると思い込んでいます。無意識を意識が認知することで、はじめて「気」が通る身体になります。気を扱う上で一番大切なことは認知です。
それこそが東洋医学でいう「気」が流れて、「水」や「血」が流れるという意味です。認知なくして気はありえません。無理やりでは気は何も動きません。つまり、刺激量や刺激時間ではないということです。どのように認知したかで意識と無意識が融合します。この意味を知っておく必要があります。
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