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関節の動きと全身への影響

母指のCM関節が屈曲内転位で固定されてしまうと、やがて、その影響が手首、肘、肩関節に影響を及ぼしますが、一定の法則があります。腕関節は内旋し、肘は屈曲外転していきます。本来肘は外転はしませんが、肩関節の動きにより関節の遊びができてしまうので見かけ上の外転ということです。いわゆる脇が甘い(体幹から離れている)という姿勢をとってしまいます。坐位で手をダラッと下におろした姿勢をしても肘が完全に伸びていないという状態になります。その力は肩関節の内旋を引き起こし、肩甲骨が外転挙上位に固定されてしまいます。当たり前ですが、このような状態を改善させるために単純にCM関節を伸展外転位にすれば良いという訳ではありません。なぜなら伸展外転をしようとしても必ず代償運動をしてしまうからです。







CM関節屈曲内転位の固定状態では、手首から肘、肩、肩甲骨へと力が伝えられ肩甲骨が挙上することで背中側が上下に引っ張られます。肩甲骨と仙骨も連動しているので、仙骨が後傾します。実は、そうならないと立っていられなくなるからです。(重力軸の関係による)

この状態では腰が後方に倒れることで腰椎は屈曲し、背中側は引っ張られます。これが常態化すれば腰痛を起こす可能性が大きくなります。また、股関節の可動域が減少し、本来90度少しある股関節の屈曲角度が鈍角になって正しい位置まで屈曲できなくなってしまいます。これは仙骨を立てた状態で股関節を屈曲させるとその状態がよくわかります。


左の手の母指のCM関節が屈曲内転位になった場合は、左背部から腰部が右より引き伸ばされるので体幹は右回旋が起こり、左回旋ができにくくなります。右のCM関節屈曲内転位なら左回旋が起こり右回旋ができにくくなります。この動きによって片側の股関節の屈曲に影響を与えていきます。つまり、これは歩行にも影響するということです。


上半身の片側が前傾するため、腰を後ろに引いて右に移動するため同側の膝を曲げないと立つことができません。手の母指のCM関節は、股関節屈曲や体幹の回旋、膝にも影響を与えているということです。それによって膝が伸びない状態になってしまいます。立っている時は膝が伸びているように見えますが、実際にはキチンと膝は伸びていないことが殆どです。そして、なぜか膝蓋骨が内側方向に内転してしまうのです。膝蓋骨を外側に外転させて膝を伸ばすことができなくなります。左のCM関節が屈曲内転位になると左膝が伸びないということになります。

そうなると足底の外側に負荷がかかり足首は内反位になって、足底の内側が地面に接地しづらくなります。地面は水平なので、足の裏を接地しようとして膝に捻れを作って遊びを拡大させることで、中心より外側の位置に置こうとします。それで、なんとか地面を捉えて立とうとするのです。身体を歪めてでも歩くということが重要なのです。

これは膝関節を痛めた時の典型的な膝関節の位置関係です。

手の甲にある腰腿点が腰痛の治療に使われることがあるのも、このような関連があるからなのではないかと考えられます。





 

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