肩甲骨と手2
この状態は指先の動きにまで影響を与え、DIP関節の屈曲時の問題にまで発展していきます。
以前も書きましたが、DIP関節は屈曲で特異な遊びを作りますが、肩甲骨が外転挙上してしまうと母指と母指以外の末端の関節(母指はIP、その他はDIP関節)にまで異常をきたすという意味です。
体幹の動きは必ず末端にまで影響を及ぼします。
逆に言えば、末端の動きは体幹の動きに影響を与えます。
タイピングのように指先をよく使う仕事をしていると、どうしても指先に異常な力がかかりやすくなります。
それが元で肩甲胸郭関節の動きに異常を起こしやすくなり、肩甲骨の動きが片寄ると、肋骨に異常な力がかかり頸椎の安定性を失い、首や肩の凝りを作ってしまうのです。
症状が出るのは、異常を起こした場所から離れる傾向にあります。
それは関節の構造上の問題で、関節を一つまたいで影響が出るからです。
例えば腕関節の問題で一番影響を受けるのは肩関節です。
足関節の問題で一番影響を受けるのは股関節です。
首や肩の痛みを訴えている人が首や肩だけを刺激してもよくならないのはその為です。
楽になっても、同じ動きをしていれば、また元に戻ってしまいます。
局所だけ刺激するのは焼け石に水です。
治療と同時に、日常の動きに注意を向けていないと必ず元に戻ります。
そのことを知らないで、単純に肩や首に刺激をしても絶対によくなりません。
そして、刺激時間が長くなり、余計な刺激を続けてしまうことで副作用がでる可能性も多くなります。
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