股関節の障害は腰?2
それでは問題は何か?
問題は上部の頸部にありました。
しかも、脳幹と呼ばれている延髄や橋です。
大脳皮質から命令が下って、脊髄を信号が流れる訳ですが、もし、上部の頸部に問題があれば、情報が上手く流れなくなって、足の動きが悪くなるのは神経的に考えても辻褄はあいます。
脳幹と呼ばれているこの部分には、網様体脊髄路というのがあり、無意識の姿勢反射なんかを制御していたりします。
無意識の姿勢反射なんて言われると難しいと感じるかもわかりませんが例をあげると、机の上に置いてあるコップをとろうとして右手を挙げたとします。
ほとんどの人が全く気づかないと思いますが、この時に網様体脊髄路が働いていて、倒れないようにしているのです。
もし網様体脊髄路に障害を受けていたとしたらまっすぐ立っていられません。
手を前に挙げるということは、腕一本の重さは体重の8%ぐらいある訳ですから、体重80キロの人なら6キロぐらいなので、何もしなかったら前に倒れてしまいます。それを瞬時に体重移動を後方に移動させて制御しているのが、この網様体脊髄路の経路なのです。
すごいですよね。
一瞬でこのような働きが起こって姿勢を安定させているのですからね。
しかし、手をあげても、体重が後ろにかかる感じというのはあまりしませんよね。
そこが身体の凄いところです。
一切、腰や足には注意がいかないようになっているのです。
絶対に起こっているはずの筋肉の動きを感じさせないようにもしているのです。
腕の動きによって起こったアンバランスを腰や下半身の動きを制御することによって安定させられている訳です。
上部の頸椎に何らかの問題があって、網様体脊髄路に僅かな障害が起こったことで股関節に痛みが出ていたとしても不思議なことでもなんでもないと言えます。
続きます
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