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治す技術5

単純に見える症状でも悩んであちこち行っている人をよくみかけます。


問題が自分自身にはなく、人に原因を見つけてもらって、治してもらわなければならない。

という条件設定があると、単純な症状でも良くならないことが殆どです。


整形に行き、CT、MRIを撮って異常がない。

器質的な異常でなければ他に異常があるはずと考えられるのですが、そういう人は、何かあるはずと考えます。

なぜなら、こんなに痛いんだからと考えるからです。


運動をしている人なら、運動が原因だと思い込んでしまいます。

しかし、休んでも同じ結果です。

良くなってきたなと思って運動すると、また痛みが出てくる。


それを繰り返しているうちに、運動する意欲がなくなってくる。

そして恐怖が支配するようになってきます。

当然、最高のパフォーマンスを出すことはできません。


それでも努力する。

結果的に上手くいかない。

それが心の傷になって一生過ごすことになる訳です。


治療の技術を多く学ぶ人も同じです。

あちこち行った。

でも、問題は治療技術にあると考えているうちは絶対に上手くなりません。

そんなところにヒントはありません。

自分自身の見方に問題があるということに気づくと全てが変わります。


般若心経の言葉に「観自在」の菩薩の話が一番にでてきますが、「観自在」の言葉の意味は「すべての事物を自由自在に見ることができること」です。

不自由な見方をしていると、うまくいかないということなのだと思います。


技術の一番頂点にある言葉なのではないかと思います。

自由自在に見る

できそうでできないことです。


自由自在に見るためには、知識や経験から束縛されないことが必要です。

これができそうでできない。

最初に学ぶべきことは、自由自在に見る力を養うことです。


そして、知識や経験から自由になる為の技術があります。

一つ一つは訓練法ですが、訓練していればできるようになる訳でもありません。

その訓練からも離れた時に自由自在に見ることができるようになるということだと思います。


これほど難しく、これほど単純なことはないのではないかと思っています。

やったものにしかわからない。

初心者であっても、やったらわかります。


経験じゃないということです。







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