尿管結石?
尿管結石でもレントゲンでもエコーでもうつらないというのがあります。
左下腹部の強烈な痛みで冷や汗が出るぐらいの状態でしたが、腰と下腹部を温めてと指示をして温めたら、ずいぶん楽になったということで次の日に来院しました。
尿管結石でも石が存在しないという例もあるようです。
というかわからないぐらい小さいのかもわかりません。
ただ、左下腹部から側腹部、そして腰部には緊張があります。
もちろん、左側だけです。
アプライドキネシオロジーのグッドハート氏は、尿管結石になると腰方形筋の作用が衰えると言っていましたが、腰方形筋の徒手筋力検査をするのは大変です。
特に痛みがある人に体位をとらせて行うのは難しいと思います。
坐位で、仙骨を上にあげるような動きをすれば十分わかります。
この方の場合も右より左があがりにくくなっています。
つまり筋力もないということです。
大きく動かす必要はなく、小さく動かせばわかります。
こういう尿管結石様の痛みは炎症反応があり「熱」で反応するはずですが、調べてみると案の定、左下腹部から側腹部、腰、足の内側にまでひろがっているのを確認できました。
「熱」と言ってもあがりきらない「熱」なので、東洋医学的には「虚」です。
いわゆる虚熱ということなので、実証の「熱」ではありません。
症状が激しいと実証の「熱」と思い込みがちですが、実際は虚熱です。
これを調整するのは、陽明と厥陰の反応でした。
これが経筋系に入っていたので胆経と肝経の経筋系を調整すると、それだけで虚熱はなくなっていきました。
これだけで、腰方形筋の動きも変わり、腰の緊張も半分になっていきました。
刺激時間は数秒です。
問題は、その異常がどうなっていて、どの位置にあるかです。
温熱刺激を左腰に与えることが大事なので、場所を指示して、そのあたりを温めるように言いました。
それだけでも全然違うようになると思います。
それでもこの寒暖差によって「熱」が「虚」として尿管から膀胱あたりに貯まることがあるので今後も細心の注意が必要です。
東洋医学は、複雑な病能を、気水血、陰陽表裏虚実寒熱で割り切り、だいたいの調整をすることができます。
どんな複雑な問題でもこれらの問題を丁寧に調整していくと何らかの答えが返ってきます。
全てを治す必要はありません。
その人の治癒力を信じる必要があるので、どれだけ手を加えるのかがとても重要なのです。
やり過ぎ、治療のし過ぎは逆効果です。
なんでもかんでもやってあげるというのは、逆効果なのだと思います。
「痛いのと弁当は自分持ち」
という濵井先生のお父さんの言葉を、こういう時いつも思い出します。
その人の治癒力を待つ。
それも治療家の仕事の一つです。
だからこそ判断が大事なのだと思います。
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