体幹の思い
手足が一ミリも動かない(指先も含む)まま身体を捻ってみてください。
できる人は殆どいないはずです。
体幹を捻ろうとすれば、肩甲骨や足(左に捻ろうとする場合、右足)に力がかかるはずです。
体幹を見た目にわかるぐらい大きく動かそうと思った時、手足に代償運動が起こります。
体幹と手足がつながっている証拠と言えるでしょう。
代償運動を止めた場合、体幹の運動は殆ど動けません。
これが動かさない運動法です。
実は、この動かさない運動法が、意識のトレーニングに最適です。肩関節の純粋な外旋運動も代償運動を伴わないようにしようとすると殆ど動きません。
意識は動いているのに運動は起こってない状態になります。実は、これが意識だけ高まった運動状態です。
麻痺したところを無理やりではなく、意識だけで動かすということになります。頑張らなくても良いのです。思いを動かないところに届けるだけです。
集中すればする程、体幹から手足がつながって動いているのを認識できるはずです。
そこに意識を集中させると背骨の動きがダイレクトに伝わってきます。動かなくて良いのです。
動かそうと思えば良いのです。
この状態の時に一種の瞑想状態に入ります。瞑想は、単に座っているのが瞑想ではなく、対象物があっても良いのです。
動かそうと思う思いと動かないという思いが同時に起こり、それを観察していくのです。
そうすると余計なことが一切入ってこなくなり、精神は安定した状態になります。
だから一般的な筋肉の運動ではありません。
イメージトレーニングとよく言いますが、イメージだけではトレーニングはできません。具体的な何かがないと意識は高まりません。イメージだけのイメトレは集中力が続きません。イメージトレーニングの上手い人は、具体的なものを動かす意識が強くでています。これが高まれば高まる程、集中力が高まります。
そして、この動かない運動をしていると一瞬我を忘れます。
自分の身体は「我」のはずですが、その「我」をも忘れて没頭できるようになります。
大事なことは「純粋」なことです。
純粋に運動する。
混じりっけのない運動です。
純粋な運動は動かないんじゃなく動けないんです。
運動という概念を、代償運動と脳の仕組みから変えてみるとこういう結論に達しました。もちろんこれが絶対ではありません。
しかし高価な機械は一切いりません。
自分の身体とやろうと思ってみる意識だけでできるのです。
これが100歳の人でもできる運動法です。どんな状態かは全く問題ありません。
それでは意識のない人はどうすれば良いのでしょうか?
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